
学内レンアイ【BL短編集】
第1章 広瀬理人×長原唯
「つか本忘れてってんじゃん…」
苦笑いし筒其の本を受付の隅に置いた。
其れから唯が言った一言が気になり、どんな意味だったのかを考えてる内に外は暗くなっていた。
(そろそろ図書室閉めるか)
図書カードの整理をして中に居た人達を外に出し、置き忘れのチェックを済ませる。
全部終え鍵を閉めようとした其の時、後ろから声を掛けられた。
『ひ、広瀬せんぱい…っっ』
振り返った先に居たのは息を切らした唯だった。
多分走って来たのだろう。
「どうした?」
取り敢えず声を掛ける。
『ハァハァ…僕本を忘れちゃって…ハァ』
息を整え筒見詰めて来る唯が何処か可愛く見えた。
軽く微笑むと俺は鍵を外し扉を開けた。
「ギリギリセーフ、未だ間に合うよ」
