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↑逆転↓御斗戯世界

第9章 ボンジュール、灰かぶり

【Side: 璃斗】

周りにあるものすべてが、私が愛して止まないものばかりだわ!!

剣に杖、弓、槍………全部本物よ!!すごい、すごすぎるっ!!

「さっさと選べよ。」

「ちょっと待って、じっくり見させて!」

サンドリヨンと別れたあと、ウィザードに連れてこられるまま、一件の店に来た。市場のようではなく、この市街地には少し似合わないレンガ作りの店で、中に入るとビックリ仰天!鎧とかいかにもな旅人の服とかを着た人達がたくさんいて、まるでゲームに出てくる武器屋のようだ。いやまぁ、武器屋なんだけど。

改めて、ここが現実世界ではないんだなと実感したけど、今はそんなことより目の前の武器観察の方が大事!

「言っておくが、お前のそのちっこい体だと武器は一つしか持てないからな。」

ちっこい言うな。これでも日本女子の平均ぐらいだ。

でも一つしか持てないのか………二刀流とかちょっとしてみたかったのに。


もちろん私が選ぶのは剣だ。剣道やっててある程度心得があるし、なによりかっこいいから。王道よね。それに、七人の王を倒すのは勇者の務め、そして勇者は一振りの剣を携えるものって何千年も昔からの一般常識だもの。

とは言ったものの、沢山ありすぎてどれにしたらいいか困る。お金のことは気にするなって言ってたし、好きなもの選べって男前な指示をくれたのには感謝しているけど、どの剣がいいかなんて、ほぼ素人の私にはわからない。

こういったとき、ゲームでは、強さとかステータスが表示されるのに!

そう悩んでいると、見かねたウィザードが隣に来て、カウンターの向こうにいる中年の店主に言った。

「この店で一番高い剣は?」

その一言で、周りで武器を選んでいた人達がざわつく。そりゃそうだ、その台詞では、まるでその一番高価な剣を買うみたいではないか。いやぁ、まさか…ねぇ?

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