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第10章 束の間の休息

【Side: 璃斗】

「とりあえず、先に風呂に入ってこい。」

とても美味しいご飯を食べ終えた後、ウィザードにそう促された。確かに、服と髪は多少なりとも汚れている。思い返せば怒濤のような二日間だった。それに、こっちに飛ばされる前は、部活終わりだったんだから、当然汗臭い。

お風呂………どんな風呂なんだろうか。もしかして泡じゃなくて雲とか、お湯じゃなくてジュースとか…いや、それは汚いな。

もともとお風呂はあまり好きじゃないけれど、今日に限っては早く入りたい、の一言につきる。それで早く寝たい。


案内されたお風呂について、いざ入ろうとしたとき、そういえばとあたりを見回す。

着替えはどうすればいいんだろうか。さすがに他人の前でタオル一枚で出ていくのは、無理、というか恥ずかしい。しかも男。よく花梨と威王が、男は狼なのよ、気を付けなさい。年頃になったなら、慎みなさい。とかなんとか言っていた気がする。

でもその心配は杞憂に終わった。脱衣所の篭の中に、寝間着のようなものが入っていた。

服をポイポイっと脱ぎ捨てて、お風呂のドアをあける。そして開けた瞬間、私は愕然とした。


すんごい普通だった。

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