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第11章 再び参上!第六王国

【Side: 璃斗】

飛行機から降りたときのような、足が地面についている安心感が私を満たした。本当に、死ぬかと思ったからなんだか涙がでちゃいそう。いやほんと、地面って素晴らしいね。


「そろそろ離せ……色々とヤバイから。」

頭上からウィザードの苦しげな声が聞こえた。そういえば、と思って力んだ腕の力を緩めて放す。無茶苦茶力が強かったのかウィザードはあぶねー、とかやべー、と言って額に手を当てて呟いていた。そんなに力は強かっただろうか。いやでも、自分の生死がかかっているんだからしょうがないと思うよ。ね?


ドラマティックなワープに成功し、やってきたのは、そばに穏やかな川が流れてる、広場のような所だった。目の前には小さな祠のようなものがあって、私の住んでいた世界ではよく見かける仏像のようなものがいる。周りの雰囲気は、どこか神聖で、世界遺産の神社や神宮を彷彿とさせた。だけど、そんな御立派な建築物があるわけでもなく、どうしてそんな風に感じるのかと視線を漂わせると、向こうに大きな鳥居が見えた。

「ここ…神社の敷地なの?」

「みたいだな。ここは第六王国、ジリア王国の端っこだ。」

「はぁ…。」

第6王国とか聞いても全然わからないしぴんとこないけど、とりあえず目的地には無事に着けたらしい。あんな荒い方法でこれからも移動するのかと思うと、少々、いやかなり不安である。

「Σεληνη ζήλια(セリニ・ジリア)。ちょっと前にあったやつのこと、もう忘れたのかよ。」

はて、そんな外人さんの知り合いなんていたかしら、と記憶のなかを探ってみた。如何せん、サンドリヨンが脳内に色濃く残っているからどうもこれだ!と思う人物がいない。


「そんな人いたかなー?」

「日頃脳ミソ使ってねぇのかよ。鈍ってるぞ。」

「悪かったわね!」


そうは言っても全く思いつかない。とりあえず最初から記憶を巡ってみることにしよう。

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