↑逆転↓御斗戯世界
第11章 再び参上!第六王国
【Side: 璃斗】
「お前にしては良案だな。」
「誉めてんの?貶してんの?」
「誉めてるに決まってんだろ。」
時計が光ったと思ったら、次の瞬間にはもう私は立派な町娘になっていた。時代劇に出てくるような着物ではなく、神社の巫女さんみたいな袴姿の私は、どっからどう見てもこの町の人間だ。それにこの袴、結構可愛いデザインであり、時計のセンスの良さが伺える。グッジョブ時計。
その時計は、今現在2時のところに針がきている。つまり、私を町娘にしてください、というお願いは一時間分の魔力を使ったということでいいのかな。最初はバナナを下さいなんてしょうもないお願いをしちゃったから、これからはそういった無駄遣いは控えよう。
とりあえず、これで怪しまれずに町を見て回れそうね、と思っていたら徐にウィザードがおい、と声をかけてきた。そしてそのまま後ろを向かされて、ウィザードが腰ほどまである私の髪に触れた。
じっとしてろと言われ、何をするのかと思ったら、どこから取り出したのか髪を結ぶ用のゴムで私の髪を束ねた。それがとても丁寧で、女の私よりも上手かった。手慣れてる、といった方が正しいのかもしれない。
最後に頭に付けていた赤いリボンを、一つで纏められたポニーテールの結び目に結んでくれた。この時間、一分たらずである。
「これ趣味?」
「いや、いつの間にか上手くなってた。」
フェーレースさんか、はたまた兄弟か、それとも恋人?色々な可能性があるけれど、多分恋人だと思う。だって、今ウィザードの顔はとても穏やかで、誰かを思い出して慈しむような表情をしていた。それがなんだかとても見覚えがあって…………
「おい、ぼーっとしてんな。さっさと行くぞ。」
「あ、うん。」
まるで考えさせないかのように、ウィザードは私の腕を引き、狭い路地から脱出した。
私は、ウィザードが一瞬浮かべた穏やかな顔が目に焼き付いて仕方がなかった。
「お前にしては良案だな。」
「誉めてんの?貶してんの?」
「誉めてるに決まってんだろ。」
時計が光ったと思ったら、次の瞬間にはもう私は立派な町娘になっていた。時代劇に出てくるような着物ではなく、神社の巫女さんみたいな袴姿の私は、どっからどう見てもこの町の人間だ。それにこの袴、結構可愛いデザインであり、時計のセンスの良さが伺える。グッジョブ時計。
その時計は、今現在2時のところに針がきている。つまり、私を町娘にしてください、というお願いは一時間分の魔力を使ったということでいいのかな。最初はバナナを下さいなんてしょうもないお願いをしちゃったから、これからはそういった無駄遣いは控えよう。
とりあえず、これで怪しまれずに町を見て回れそうね、と思っていたら徐にウィザードがおい、と声をかけてきた。そしてそのまま後ろを向かされて、ウィザードが腰ほどまである私の髪に触れた。
じっとしてろと言われ、何をするのかと思ったら、どこから取り出したのか髪を結ぶ用のゴムで私の髪を束ねた。それがとても丁寧で、女の私よりも上手かった。手慣れてる、といった方が正しいのかもしれない。
最後に頭に付けていた赤いリボンを、一つで纏められたポニーテールの結び目に結んでくれた。この時間、一分たらずである。
「これ趣味?」
「いや、いつの間にか上手くなってた。」
フェーレースさんか、はたまた兄弟か、それとも恋人?色々な可能性があるけれど、多分恋人だと思う。だって、今ウィザードの顔はとても穏やかで、誰かを思い出して慈しむような表情をしていた。それがなんだかとても見覚えがあって…………
「おい、ぼーっとしてんな。さっさと行くぞ。」
「あ、うん。」
まるで考えさせないかのように、ウィザードは私の腕を引き、狭い路地から脱出した。
私は、ウィザードが一瞬浮かべた穏やかな顔が目に焼き付いて仕方がなかった。