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↑逆転↓御斗戯世界

第11章 再び参上!第六王国

【Side:璃斗】

現在の時刻は、午後3時ごろ。この世界の表現で言うなら、逆双子の刻、ね。ここの時間は、1日24時間というところは現実世界と一緒なんだけど、それが、数字で表すんじゃなくて、十二星座で表すらしい。それで、午後になると、前に逆、とつけて表現する。

この話は、クランさんが別れる前に、逆乙女の刻に集合してください、と言った時にウィザードに聞いた。言語が現実世界のものと一緒だったり、時間が私達がよく占いとかで使う十二星座だったり、似ているようで全然違う2つの世界。今更ながら、まさか私が物語の主人公みたいになるなんて、数日前の─あっちの世界では少なくとも二ヶ月もたっているけれど─私には想像すらできなかっただろう。いや、いつでもそんな妄想はしてたけど。でも、よくこういう体験にありがちな”夢を見ている気分“にならないのは、現状が深刻だからに違いない。



「それで、模範解答は?」

「悪魔を崇めることで心も侵食されつつある、という無意識的要因と、敬意を表すため、悪魔が司る大罪の念を自分達も所持しているという意思表示のための意識的要因だな。」


お、おう…。模範解答によくある難しい表現を使った分かりにくい解答例ね。つまりは、嫉妬の気持ちが移っちゃったのと、俺達あなたと同じ大罪の気持ち持ってますよ!嫉妬するのは素晴らしいことですよねー!という気持ちの表れ、ということでいいのかしら?なんという恐怖政治。


それを踏まえて周りを見てみると、人によって視線に含まれている気持ちが違うのがわかった。本当に羨ましい、と思っている人はそれ相応の顔をしているし、そうじゃなくて意図的にそういう視線を送っている人は疲れた様な顔をしている。

現実世界とは似ているようで似ていないこの世界は、私が思っているよりも厄介で、私が夢見ていたよりも良いものではないらしい。

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