↑逆転↓御斗戯世界
第11章 再び参上!第六王国
【Side: 璃斗】
「狭いところですが、どうぞ。」
逆乙女の刻、つまり午後6時に約束されていた場所に行くと、先程と同じ着物姿のクランさんがいた。相変わらず綺麗な黒髪と着物が似合っている。
クランさんが案内してくれて着いた家は、確かに立派ではなかったけれど、そこにクランさんの優しさを足したらもう豪邸レベルだ。それに周りの民家を見てみると、クランさんの家は他よりも大きいし綺麗だから、貧乏なわけではないんだろう。
「おじゃましまーす。」
見れば見るほど、古き良き日本の木造建築だけど、ここは日本ではないし、言語もギリシャ語。玄関にはクランさんのものらしき下駄や草履がいくつかある。しかしそれだけしかないところをみると、どうやら一人暮らしらしい。
それに気付いたとき、これはまずいんじゃないかと私は思った。ここはリア充爆発しろの国であって、相手は独り身。こっちは─不本意ながら─連れがいる。嫉妬しない訳がない。隣のウィザードに、そこんとこどうなのという意味を含めた目配せをすると私の目配せの意味を察したのか、クランさんは、大丈夫ですよ、と相変わらずの笑みで言った。
「私は殿下の嫉妬に呑まれてはいないですから。」
「あ…そうなんですか。あと、言っておきますけど、私とコイツはただの連れですからね!」
「ただの連れって…」
「フフッ………承知しました。」
居間のようなところに案内されて、座っているよう言われた。どうやら夕飯までごちそうしてくれるらしい。なんて心優しい人なのか、ほんと私って運がいいわね。たまたま話しかけた人がこんなにいい人なんて、きっと私の日頃の行いがいいからよね!
なのに、さっきからウィザードはなんだか落ち着かないというか、釈然としない感じで顔をしかめて座っている。せっかく料理まで用意してもらって泊めさせてもらうのに、失礼じゃない。
「ちょっと、何か不満なの?」
「うるせぇ、ほっとけ。」
何が気に入らないかしらないけど、ウィザードは不機嫌らしい。変なやつ。
「狭いところですが、どうぞ。」
逆乙女の刻、つまり午後6時に約束されていた場所に行くと、先程と同じ着物姿のクランさんがいた。相変わらず綺麗な黒髪と着物が似合っている。
クランさんが案内してくれて着いた家は、確かに立派ではなかったけれど、そこにクランさんの優しさを足したらもう豪邸レベルだ。それに周りの民家を見てみると、クランさんの家は他よりも大きいし綺麗だから、貧乏なわけではないんだろう。
「おじゃましまーす。」
見れば見るほど、古き良き日本の木造建築だけど、ここは日本ではないし、言語もギリシャ語。玄関にはクランさんのものらしき下駄や草履がいくつかある。しかしそれだけしかないところをみると、どうやら一人暮らしらしい。
それに気付いたとき、これはまずいんじゃないかと私は思った。ここはリア充爆発しろの国であって、相手は独り身。こっちは─不本意ながら─連れがいる。嫉妬しない訳がない。隣のウィザードに、そこんとこどうなのという意味を含めた目配せをすると私の目配せの意味を察したのか、クランさんは、大丈夫ですよ、と相変わらずの笑みで言った。
「私は殿下の嫉妬に呑まれてはいないですから。」
「あ…そうなんですか。あと、言っておきますけど、私とコイツはただの連れですからね!」
「ただの連れって…」
「フフッ………承知しました。」
居間のようなところに案内されて、座っているよう言われた。どうやら夕飯までごちそうしてくれるらしい。なんて心優しい人なのか、ほんと私って運がいいわね。たまたま話しかけた人がこんなにいい人なんて、きっと私の日頃の行いがいいからよね!
なのに、さっきからウィザードはなんだか落ち着かないというか、釈然としない感じで顔をしかめて座っている。せっかく料理まで用意してもらって泊めさせてもらうのに、失礼じゃない。
「ちょっと、何か不満なの?」
「うるせぇ、ほっとけ。」
何が気に入らないかしらないけど、ウィザードは不機嫌らしい。変なやつ。