↑逆転↓御斗戯世界
第2章 始まりはいつも突然
【Side: 璃斗】
先程までの穏やかさは微塵に消え、ホームは喧騒に包まれた。誰もが我先にと出口を目指し、駆け出す。その流れに流されそうになるが、体が動かない。
ここの駅はそんなに大きなものではなく、もちろん出口も一本で狭い。そんな中、こんなに大勢の人間が移動できる訳もなく、二次被害が出た。
犯人はわからない、つまり通り魔だ。すぐ隣に殺人鬼がいるかもしれないという不安要素から、誰もが取り乱している。私も取り乱してはいないものの、指先がピンとして脚が動いてくれない。
「あ!?あッ、ァ……」
またひとつ悲鳴が上がった。そして崩れる音。声からして女の人だとわかった。
あまりの非日常さに呆然とする威王。しばらくは混乱してどうすることも出来なかった。しかし、人間の本能が働いたのか、煩いくらいの心臓の音で私は我に帰った。先程までの馬鹿げた雰囲気になんてなれなかった。
先程までの穏やかさは微塵に消え、ホームは喧騒に包まれた。誰もが我先にと出口を目指し、駆け出す。その流れに流されそうになるが、体が動かない。
ここの駅はそんなに大きなものではなく、もちろん出口も一本で狭い。そんな中、こんなに大勢の人間が移動できる訳もなく、二次被害が出た。
犯人はわからない、つまり通り魔だ。すぐ隣に殺人鬼がいるかもしれないという不安要素から、誰もが取り乱している。私も取り乱してはいないものの、指先がピンとして脚が動いてくれない。
「あ!?あッ、ァ……」
またひとつ悲鳴が上がった。そして崩れる音。声からして女の人だとわかった。
あまりの非日常さに呆然とする威王。しばらくは混乱してどうすることも出来なかった。しかし、人間の本能が働いたのか、煩いくらいの心臓の音で私は我に帰った。先程までの馬鹿げた雰囲気になんてなれなかった。