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↑逆転↓御斗戯世界

第3章 私と魔法使いとファーストキス

【Side: 璃斗】

あー、もうやだ帰りたい。この人ある意味怖いんだけれども。接し方がわからなさすぎてもう対応に困る。

「記憶が───とは──ない…。」

小声でボソボソと呟いている男は完全に私に見向きもしていない。

もうそろそろ、私の堪忍袋の緒が切れそうだ。

「ちょっと!質問に…」

「さっきからピーピーうるせぇ!」


カッチーン(´・ω`・#)

もう駄目、人生で一番ムカッときた。私は今まで溜めてた鬱憤を一気に発散した。

「うるせぇってそっちがこっちの質問にひとっつも答えないからでしょ!?大体ここ何処なの?この謎の荒野意味わかんない!それとアンタ誰?身長高過ぎ!駅での事件は何?目的は?あとこれ家に帰れるの?この謎の音の正体は?どれでもいいから1つぐらい答えなさいよ、あとはやく降ろして!この誘拐犯!!」

警察呼ぶわよ!と最後に付け足して男を睨み付けた。一気にまくし上げて少し息が上がるけど、これぐらい言わないとまた黙れと言われるに違いない。

私の思惑通り、男は今度は口を薄く開けて固まっている。その口許だけで、男がポカーンとしているのがわかった。してやったり、と少し機嫌を直したのは言うまでもない。

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