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↑逆転↓御斗戯世界

第4章 深いのはお好き?

【Side: 璃斗】

「………」

魔法使いは、まさに茫然という言葉がお似合いなほど、放心している様子だった。まさか私にビンタされるとは思っていなかったという感じだ。思わず、心の中で、全身全霊のざまぁwを繰り出したのは言うまでもない。

そのまま数秒、本日何回目かの、タイムストップが発動した。ここまでくると、沈黙にも慣れてきた。

いや、沈黙ではなかった。

色々あって忘れていたけど、荒野に響く轟音は依然として鳴り響いている。寧ろ先程よりも大きい。近づいてきているのは明確だった。

その音に気を引かれていたから、魔法使いの行動に気づかなかった。


いきなり腕を捕まれ、顔が近づく。一瞬、魔法使い─ウィザードの顔、真っ赤になっていた頬が見えたと思ったら、再び、唇に感触。

今度は、キスされていると気付くのに時間はかからなかった。

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