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↑逆転↓御斗戯世界

第5章 邂逅!かぐや姫(仮)

【Side: 璃斗】

次は目隠しをとってほしいナ、と思う。視界が塞がれている、というのは思いの外不安になるから。でも、次に手がかけられたのは口を塞いでいたものだった。

これを解くときも、

「喚くようなことをすればどうなるかわかるな?騒ぐなよ。」

という脅しセリフ付きだった。

ここでようやく、自分の立場が大体わかった気がする。今、私は何処かに捕まっている、のだろう。まぁ、ここの世界、えっとなんだったっけ?けいおすわーるど?冷静になってみると超中二だ。

で、この世界のことは全くわからないし、自分はどうすればいいかもわからない。唯一の頼みの綱、というか、すべての元凶であるあの変態魔法使いウィザード君もいなくなっている今、私はどうすることもできない訳である。

口を締めていたものが取り払われ、やっとまともに喋れるようになった。口のなかがカラカラだよまったく!

さっきの言葉、騒がなければセーフってことだよね?

「ねぇ、ここ何処なのよ?」

相手がなにか指示をしてくる前に、私は口を挟んだ。その内容を聞いた男は、目隠しをしててもわかるような厭らしい笑みを浮かべて言った。

「記憶喪失か?迷子のκόρη(お嬢さん)、ここは第六王国、かぐや王の宮殿だ。」

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