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第5章 邂逅!かぐや姫(仮)

【Side: 璃斗】

ここまでが、回想だ。足と口だけが自由になった私は今、とんでもない目に遭っている。

首には数十本の何かの刃先が向けられていて、足には、よく研いである刃的なものが宛がわれている。どうしてこうなった。

「今の言葉、もう一度言え。」

真っ正面にいるであろう王様っぽい、若い男─かぐや姫(仮)─の声が静かな部屋に響いた。凛と透き通るようなイイ声だ、と思う余裕はあるわけがない。次の一言で私は死ぬかもしれないのだ。落ち着いてなんていられるもんか!

口が解放された時と同じくらい殻からの喉から慎重に声を出した。

「私は、違う世界から、きますた…。」

どの言葉が引っ掛かったんだろう?もしかして、きますた、がふざけすぎて怒ったとか!?そうだったとしたら、私の人生はこの一言で幕をとじるこことなるのかっ!?しょうもなさすぎる…!

私の言葉で周りがざわめきだす。どうして、とか何故、とか言ってるけど、それこっちのセリフだからね?私だってどうしてこうなったのかチンプンカンプンだよ。

「違う世界…?」

王様的な人が感慨深く呟いた。そりゃあいきなり違う世界からきましたとか、中二病にもほどがあるけど、事実なんだからしょうがない。

「地球といってですね…」

「ここも地球だ。」

「………そうっスか。」

ここも一応地球らしい。どこまでが一緒でどこまでが違うなんてわかるわけないでしょ!もっと範囲を狭めてみるか…。

「日本、そう!日本から来ました。」

その言葉に周りが多少ざわめく。やっぱり日本はわからないのか。所々聞こえてくる言葉からして日本人ではなさそうなんだけど、私は彼らの言葉がわかるからふしぎだ。あのウィザードの仕業か。

「ニホン、とはどこの地域だ。」

「どこ、と言われましても…」

難しい質問だ。なんて答えれば納得してもらえるのか、下手なこと言ったら殺されそうだし。でも、地球がわかったんだから、海の名前くらいはわかるよね?

「東シナ海の近くの…」

「ヒガシシナカイ…!?なんだそれは!」

いやマジか!?これもわかんないの!?そんなのもうどうすればいいのさ!

海がダメなら大陸で…

「あの、ユーラシア大陸のですね…」

「ゆ、ユー・ラシュアンタイリク!?」

オワタ\(^o^)/

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