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↑逆転↓御斗戯世界

第5章 邂逅!かぐや姫(仮)

【Side:璃斗】

なんだこれ、もう理解させられる気がしない。だって大陸名も海名もわからないなんて、もう地球と言う名のアナザーワールドだもの。まぁ、そうなんだけど。

てかなんで最後ちょっとオシャレになってたの。なに、ユー・ラシュアン大陸って。

「まさか、ジュリエッタの差し金か!?」

そこでようやく、知っている単語に出会えた。家臣的な男が言った、“ジュリエッタ”という名前、きっと…

ん?ジュリエッタ………?誰だっけ。そんな知り合いいなかったような気がする。というかそんな変わった名前なら忘れもしないだろう。

なら私は今、なんであの名前を知っていたのだろう?

「おい、貴様、ジュリエッタの国の者か?」

ここは「はい」と答えたら私の人生が終わることは目に見えているから、否定する。さっきの言動からして、ジュリエッタさんとは仲悪そうだし、事実、そんな人知らないし。

すると、王様的な男が言った。

「目隠しをとれ。顔が見たい。」

その言葉に家臣たちはえっ、という顔をする。

やった!やっと目隠しが取れるわ。目の前が真っ暗なのはやっぱり気持ちのいいものではないし、何よりここの世界がどうなってんのかとか、目の前の人たちにどんな人たちなんだろうとか気になる!

「ですが殿下、」

「さっさとしろ。」

「συγκατάθεση!(了解)」

殿下こわっ!こういうの見てると家来がかわいそうになってくるよね。よくいうあれだ、鳥の嘴になっても、牛の尻にはなるな的な。確かにそう思うわ。わたしだったら誰かに屈するとか嫌だもん。

目を被っている布に手がかけられた。後ろの結び目をほどく感覚が伝わってきて、やっと解放される!とドキドキした。案外強く結びすぎてほどくのに苦戦している。ほら、そんなちんたらしてると鬼殿下が…

「早くしろ、ανόητος (阿呆)」

「すみませんっ!」

ほらね、予想通りだわ。殿下、もっと優しくしてあげて。家臣泣きそうだから。

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