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↑逆転↓御斗戯世界

第5章 邂逅!かぐや姫(仮)

【Side:璃斗】

目隠しが取れた瞬間、周りの眩しさに目を細めた、わけもなく、ただ目の前の男と目が合った。

私より暗い茶色の髪に、右目が黄緑、左目が水色という、なんとも中二くさい男がこちらを凝視している。というか、すっごいイケメンだ。威王と同じくらいのイケメン加減である。この前ドラマに出てた、あの犬に顔踏まれて自殺した役の俳優に似てる。

小説とかでよく、「目は透き通ったガラス玉のように綺麗な碧だった。」とか言うけど、まさにその通り。目がすっごく綺麗。日本人、というか私の世界の人種ではまずない色、オッドアイという性質もないからさらに珍しく見えるのだろうけど、すごい綺麗。

ほげー、としばらく眺めていると、その格好にも目がいく。

めっちゃカッコイイ服着とりますやん!なにそのビジュアル系のようなカッコイイ着物は!クッソカッコイイっ!くれ!それ私にくれ。

って、髪型もめっちゃステキやん!なにそのサイドの飾りがついた、流した横髪は!男の癖に私より綺麗な髪しとる…!くれ!それ私にくれ。

うはー、部屋の内装めっちゃヤバいやん!なにこの古文の教科書に出てくるような宮殿みたいな部屋。明かりが電気じゃなくて蝋燭とか!くれ!それ私にくれ。

ついつい興奮して、いつもの悪い癖、私の技のひとつである《自己形成世界(マイ・ワールド)》が発動してしまった。前に威王にも言われたから直そうと思ってるんだけど、無条件で発動しちゃうのが厄介だ。

「おい、お前の名は…」

目の前の静かな男の声で我に帰った私は、とりあえず返事をしようと口を開いた瞬間だった。

ドゴォン!という凄まじい音がして、地面が大きく揺れた。

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