↑逆転↓御斗戯世界
第5章 邂逅!かぐや姫(仮)
【Side: 璃斗】
「何事だ!」
いきなりの衝撃に、男はオッドアイを細めて声を荒げた。
その声に答えるように、一人の家来らしき人が部屋に入ってきて、その場に膝をついて、まるで大河ドラマのワンシーンのように言った。
「殿下、ジュリエッタと思わしき人影が宮殿内に進入してきました!」
「馬鹿な、一人でか?」
「恐らく…。しかし姿をはっきり捉えられていないので確定は、ッ!?」
言葉の途中で、それを遮るようにまた爆発音がして、部屋が揺れた。
もう何がどうなってるのか、頭がついてこない。だってなにもかもがいきなりすぎるから、私はどうしていいのやら…。
と、ここで私は気付いてしまった。いきなりの、ジュリエッタさんの襲撃で私の周りの人間はパニックに陥っている。私の足と視界は自由。つまり…
これ、逃げれるんじゃね?
でももし、これで逃げ出して脱出できても行くあてがないし、この世界のこと全っ然知らないし、てか、本当にこれドッキリじゃないのかとか、色々考えてちゃって、私の足は出口に向かなかった。
扉は目の前にある。どうするべきか…
そう考えていた時だった。部屋の中に何処からか丸いボールのようなものが投げ込まれた。一瞬、爆弾かと思って本気で焦ったけど、そうじゃなかった。
「くそっ、煙幕かッ!殿下を守れ!」
その玉からもくもくと真っ白な煙が出てきて、あっという間に部屋のなかを覆い、視界が悪くなった。一難去ってまた一難、もう本当に今日は厄日だわ…!
完全に視界が白になって、目の前も周りも見えない。ただ、慌ただしい鉄の音─多分家来がつけている鎧の音─と、忙しない足音だけが聞こえるばかりだ。
もちろん私はどうすることもできないから、その場から動かない。第一もう出口とかわからなくなっちゃったし。
この鬼殿下が快く力を貸してくれるとは思わないけど、なんとかここに居座ってもとの世界に帰ろう!そう思っていた矢先、誰かが私の腕を引っ張った。
「何事だ!」
いきなりの衝撃に、男はオッドアイを細めて声を荒げた。
その声に答えるように、一人の家来らしき人が部屋に入ってきて、その場に膝をついて、まるで大河ドラマのワンシーンのように言った。
「殿下、ジュリエッタと思わしき人影が宮殿内に進入してきました!」
「馬鹿な、一人でか?」
「恐らく…。しかし姿をはっきり捉えられていないので確定は、ッ!?」
言葉の途中で、それを遮るようにまた爆発音がして、部屋が揺れた。
もう何がどうなってるのか、頭がついてこない。だってなにもかもがいきなりすぎるから、私はどうしていいのやら…。
と、ここで私は気付いてしまった。いきなりの、ジュリエッタさんの襲撃で私の周りの人間はパニックに陥っている。私の足と視界は自由。つまり…
これ、逃げれるんじゃね?
でももし、これで逃げ出して脱出できても行くあてがないし、この世界のこと全っ然知らないし、てか、本当にこれドッキリじゃないのかとか、色々考えてちゃって、私の足は出口に向かなかった。
扉は目の前にある。どうするべきか…
そう考えていた時だった。部屋の中に何処からか丸いボールのようなものが投げ込まれた。一瞬、爆弾かと思って本気で焦ったけど、そうじゃなかった。
「くそっ、煙幕かッ!殿下を守れ!」
その玉からもくもくと真っ白な煙が出てきて、あっという間に部屋のなかを覆い、視界が悪くなった。一難去ってまた一難、もう本当に今日は厄日だわ…!
完全に視界が白になって、目の前も周りも見えない。ただ、慌ただしい鉄の音─多分家来がつけている鎧の音─と、忙しない足音だけが聞こえるばかりだ。
もちろん私はどうすることもできないから、その場から動かない。第一もう出口とかわからなくなっちゃったし。
この鬼殿下が快く力を貸してくれるとは思わないけど、なんとかここに居座ってもとの世界に帰ろう!そう思っていた矢先、誰かが私の腕を引っ張った。