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↑逆転↓御斗戯世界

第6章 笑って

【Side:璃斗】

私がワープ─という名の飛び込み自殺─をした時、ホームには女の子とあの殺人犯が居たはずだ。だとしたら、あの場に残された女の子はどうなったかなんて、簡単に予想がつく。

私は、あの女の子を助けられなかった。

これは私のせいじゃないのかもしれない。私をこのヘンテコな世界につれてきたのはあの魔法使いだし、もし魔法使いが現れなくても、私が殺され、後に女の子も殺されていたのかもしれない。けど…

正直、つらい。


それに、もし威王が戻ってきてたとしたら、そこにいた殺人犯と遭遇してたら…?

「ねぇ、」

「舌噛むぞ。あとちょっとで着くから黙って…」

「ねぇ、何がしたいの?早く帰らせてよ…。」

私をここにつれてきたのはこの男じゃないけど、それでも口に出さずにはいられなかった。

早く帰りたい。でも、もし帰って、既に私の周りの環境が変わってたら、例えば、大切な友達が居なくなっていたりとか。そうしたら私は、誰を恨めばいいんだろう?

「……悪い。」

「なんであんたが謝るのよ。」

「話せば長くなる。ほら、着いたから泣き止めよ。」

「泣いてないわよ!しねっ!」

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