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↑逆転↓御斗戯世界

第6章 笑って

【Side:璃斗】

男が私を抱いたままふわりと地面に着地する。まるで鳥人間だな、と今更ながら空を飛んでいたことに感嘆した。

着いた、といっていた割には、着地したそこには、はっきりいって何もない。今、森のなかの開けた場所にいるんだけど、これといって、まだ異変は見られない。ただ、木にガムがなっているけど、気にしないでおく。私の現状をいち早く把握するために、無駄なツッコミは控える。ツッコんだら負けよ、翁路璃斗!

「まぁ、とりあえず食えよ。」

ほら、といって貴族風の男が、木からガムを一つもぎ取って私に渡してきた。

珍しく、私を気にかけているらしい男の態度は、私を少し落ち着かせた。というか、今まで出会った登場人物たちが変人ばっかだっただけなんだけど。

「ありがと…。」

少々怪しがりながらも、そのもぎ取られたガム─コンビニに売ってるようなやつ─を受け取り、何味か見てみる。


キ メ ラ の 汗 味 。

「いやちょっと待ってエエエエエ!?」

ツッコんでは駄目、というルールは開始数十秒でくだけ散った。

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