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↑逆転↓御斗戯世界

第6章 笑って

【Side:璃斗】

「変態で、悪かったな。」

まだ言うかコイツ。根に持つタイプか…。

ていうか、私は何も悪くないんじゃないの!?だっていきなり拉致して人のファーストキス─しかも二回も─を奪ったのは奴だし、なんで私が下手になってるのよ!

「へ、変態は変態でしょ!?いい年した大人が女子高生襲うって、どう考えても犯罪よ!!訴えてやる!」

「あ、れは…!!テメェがうるせぇからだろ!?」

「ハァ!?質問に答えなかったあんたが悪いんでしょ!!」


まただ。またコイツとの口論が始まってしまった。二人でいるといつもこうだ。

互いに怒りをぶつけて肝心なことを話せない。もちろん、今回のことは私に非は全くない思うけど、そのことに関しても怒りが湧いてくるし、会うたびに口論になることにもイライラする。あれ、いつもって、そんなに会った覚えないんだけどな。まぁいいや。


「大体あそこで、俺がジュリエッタになって助けにこなけりゃ、テメェ絶対嫁にされて………オイ。」

ほんと、わからないことだらけだし、目の前の男はうるさいし、威王のことは心配だし、帰りたいし、もう限界だ。

何も言わず立ち竦む私。こうやって言い争うのも、もう疲れた。

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