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↑逆転↓御斗戯世界

第7章 絶望と希望

【Side:璃斗】

「調子はどうだ?」

「大丈夫だ、問題ない。てかここどこ?」

ウィザードが前の態度とはうって変わって、静かに優しく聞いてきたから、拍子抜けしてしまったのを誤魔化すため、少し早口で答えてしまった。

私のここはどこ発言にウィザードは、ガムを噛んで部屋を見回し、言った。

「ここは俺の拠点の1つだ。」

ってことは何個も拠点があるのね。ちっ、リッチめ。

期待はしてなかったけど、私の世界、というか元の世界?にあったもの─テレビとか─ がない。密かにあった、威王と連絡するという目的のための手段は絶たれたわけだ。

………ん?そういえば。


そこで私はとても大切なことに気がついた。

ホームで女の子に駆けつけたとき、私は自分の持っていた鞄とか竹刀を全部放っていった。そんなん持っている余裕なんてなかった訳だし。でも、いつも片身離さずもっていたものが、二つあった。

一つは、小型の電子辞書。去年の誕生日にお父さんに買ってもらい、常に持っていたものだった。だが、残念ながらその日は、雨が降りそうだったから、防水加工のしていない辞書は、鞄の中に大事にしまってしまったのだ。

そしてもう一つは、現在進行形で私の制服のポケットに存在を主張しているもの。

そう、一昨年の誕生日にお母さんが買ってくれた、防水加工済みの携帯電話!!

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