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第7章 絶望と希望

【Side:威王】

璃斗の葬式から3日たった。それから俺の周りの環境がガラリと変わった。

学校に行くのをずっと拒んでいた俺に、璃斗の両親が学校に行くよう勧めた。璃斗の分まで頑張って生きて、と何度も説得されて、それを見かねた俺の父さんが、学校に行けと半強制的に学校に行かされた。

通学路は、一人。いつも隣にいるはずの璃斗がいない。この、“足りない”感を味わいたくなかったから、俺は学校に行くのを嫌がっていた。

自分の雰囲気と性格が暗いものになっていくのを、本人である俺さえ感じた。璃斗がいなくなったときから俺は人が変わったように、無口になり、笑うこともなくなり、かといって涙も出なかった。ゲームとかでよく、悲しすぎて涙もでない、というシーンもあるが、そのゲームさえ、やめてしまった。何も面白くないから。

それに、俺が泣かなかったのは、まだ璃斗が生きていると、心のどこかで信じていたからかもしれない。

でも、俺以外誰もそんなことは思っていなかった。皆、璃斗の死を受け止めていた。俺だけが、未だに璃斗の死を受け止めれていなかった。否、受け止めるのを拒んでいた。


案の定つまらなかった学校から帰ってきて、部屋に閉じ籠りぼうっとする。

その時携帯に着信が入った。

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