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第7章 絶望と希望

【Side:威王】

急いで携帯に駆け寄り、その着信画面を見る。

〈着信:璃斗〉

俺は次いでその目を大きく開いた。本当に、璃斗からの着信。間違いない。

震える指で受話器ボタンを押す。

「もし…もし、」

そしてその機械から流れたのは、懐かしくも望んでいたその声だった。

『あ!繋がった!!おーい、威王ー?』

そんな、なんの感動もないような、いつもどうりのテンションでも、普通の会話文でも、俺はその声を聞いただけで涙が流れた。

璃斗が喋っている。ただそれだけのことが、嬉しくてたまらなかった。

『ちょっとー!?聞こえてんの?もしかしてかけ間違え…』

「璃斗…」

『なんだ、繋がってるんじゃん。ちゃんと返事してよ。てか、え?まさか泣いてんの?』

「誰のせいだと…!!」

『え?私のせいだったりするの?とりあえず、サーセンwww』

「ちょ、おまっ…!ふざけんなよ」

璃斗だ。璃斗は生きていた。

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