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↑逆転↓御斗戯世界

第7章 絶望と希望

【Side:威王 】

『………』

俺の言葉に、言わずもがな璃斗は絶句している。そりゃそうだよな、自分の葬式がすでに挙げられてるなんて、考えられねぇよな。

璃斗に無言になられると凄く不安になる。まだあんまり状況が飲み込めていないから、これが現実のことなのか、俺のただの都合のいい妄想なのか、わからなくなる。

なぁ、何か喋ってよ。

「おい、璃斗…。黙らないでくれ。」


俺が発した言葉は、自分が思っていたものよりも幾ばくか弱々しい。その声音を感じたのか、璃斗があー、だのうー、だの言っている。

『あのね、威王。私ちゃんと生きてるよ。大丈夫、目の前にいる奴も、ちょっと変態だけど、悪い人じゃないっぽい。』

その言葉を聞いた瞬間、また泣きそうになった。璃斗が生きてる。その事実が確認できただけで、心のなかの、ずんと重たい石のようなものが消えていくのがわかる。本当に、よかった。

「……………なぁ。」

『ん、何?』

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