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↑逆転↓御斗戯世界

第8章 お勉強の時間です。

【Side: 璃斗】

ウィザードがまた指を動かすと、本がパラパラと捲れる。いや、それぐらい自分でやればいいのでは、と思ったけど、面倒くさいからいいや。

「まず、現実世界でお前らが生まれるだろ?お前らのことを原型者、モデルと言う。」

「ふむふむ。」

「現実世界でモデルが生まれた瞬間、御斗戯世界でモデルのそっくりさん、つまり複写者、コピーが生まれる。」

ふむふ…む?
え、ということは御斗戯世界には私のそっくりさんもいるわけか!?会いたい!

「で、その際、御斗戯世界で生まれたコピーは、モデルとは反対の性別、性格を持つ。だから、かぐや姫や、ジュリエッタもといジュリエットのモデルも女だ。」

お、おう…。ここまではなんとか理解できるぞ。早くも私の普段活用しない脳みそをフル活用してるけど。

「じゃあ私のコピーは、超リアリストで物静かな文学少年ね!どこにいるの?」

「あ、お前のコピーはいないぞ。大分前に死んだ。」

「え、マジすか?お亡くなりになられましたか…。南無。」

私のそっくりの男の子に会えると思って期待したのに、まさかもう死んでいるとは、あっちとこっちの時間の流れが違うから、私のコピーはもっと小さい時に死んだのかも。なんか自分のことのように悲しくなる。

「話を戻すぞ。お前が御斗戯世界のコピーのことを知らなかったように、コピーとモデルは互いの世界のことも何もかも知らない。そして、モデルが死ぬと、コピーも死ぬ。というか消える。」

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