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第9章 ボンジュール、灰かぶり

【Side: 璃斗】

やってきました市街地。もう感無量の一言につきるわ。私の小説にでてくる市場のイメージそのものだもの!

あちらこちらから聞こえる、値段を値切る叫び声とか、噂好きのおばさんたちの会話や、酔ってる男の人どうしの罵声。とっても賑やかで、活気に溢れている。

真ん中に大きな道があり、その両端に店が並んでいる、といった感じだ。決して綺麗ではないけれど、明るくて好きかも。


「今日もうるせぇな…。」

「いいじゃん、私結構こういうの好きよ」

「意外だな。もっと石畳とか城とかそういうのが好きだと思ってたぜ?」

「うん、それは大好物。でも、こういうのも好き。」


私は浮かないようにウィザードとお揃いのマントを頭からかぶり、辺りをキョロキョロと見回した。やっぱり皆、外国人の顔つきだ。日本人と思われる人は少ない。そりゃ、世界の人口に対して、日本人の割合はすごく少ないから当たり前なんだけど、アジア風の市場に白人が沢山いる光景はすこし違和感がある。


出発する前、ウィザードにこの土地の簡単な説明を聞いた。ここは、暴食の国、第七王国だそうだ。言語はフランス語が主流。

この御斗戯世界では、国によって言語が異なっていて、何故か現代世界の言葉を使っている。不思議だ。

私はフランス語なんてわからないし、某猫型ロボットもいないわけだから、どうしたものかと思っていたけど、ウィザードが魔法をかけてくれて、今の私はフランス人のようなペラペーラなフランス語の使い手なのである。

そういえば、かぐや姫とあったときも、普通に話せたってことは、魔法をかけてくれていたのね。ただ私を放置したのは許すまじだけど。

「ほら、キョロキョロしてると迷子になるぞ。」

「あ、ちょっと待って!!」

ほんとに、こんな見知らぬ土地で迷子になったら大変だわ。まぁ、ウィザードを見失わないようにすれば大丈夫よね。

あ!なにあの店!武器がいっぱい置いてある!!

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