秘書のお仕事
第1章 合格
「今のお歳は22ということですが、セックス経験は?」
『…』
これは…入社試験…ですよね?
「どうされました?」
『い、いえ…経験は、まぁそこそこ…』
あたしの目は、もう泳いでいた
まさかの質問攻めに、もうしどろもどろだ
「それでは…これで終わります。お疲れ様でした」
どれくらい質問されたか全く覚えてないけれど
気がつくとあたしは、面接室の外に出ていた
『…』
な、なななななな何だ今の試験は~!!??
あたしはパニックを起こしたまま、カツカツと靴を鳴らして廊下を歩いた
絶対、落ちた
今回も落ちた自信ある…でも何だろ…
ちょっと受かりたくない…
ビルの外に出ると、振り返って建物を見上げた
大きくて、空にも届きそうなくらい高い…
この"parlay"は、日本有数の大手会社
ここはその、本部…
――――――――――
駄目元で受けた試験に受かっていたなんて…
ラッキーだ
『初出社は…5日後…』
ベッドの中でそう呟き、あたしは頭まで布団を被った