テキストサイズ

♡Hなアパート生活♡

第7章 新たな住人

3人で円形のテーブルを囲んで座る。



………気まずい…



でも、渚はあいかわらず明るい調子でぺらぺら話している。

男も黙っているけど、気まずいといったかんじではない。ただぼーっとしてるかんじ。




男は黒髪で、前髪は目にかかりそうなくらい伸びている。

黒縁のめがねをかけていて、年は…20代後半?30くらいに見える。

全体的にだらしない、パッとしない印象。




「……は、初めまして。202号室の橘結花です。よろしくお願いします…」




おそるおそる話しかけても、男はペコッと頭を軽くさげるだけ。

…この人も変な人……

それが正直な感想だ。




203号室の住人は、檜山裕典(ひやまゆうすけ)。
売れないエロ漫画家、らしい。

バイトを掛け持ちしながら、いつか自分の漫画が売れることを夢見てる独身男。

今日みたいにときどき渚がモデルになって、漫画のアイディアを考えたりしているとのこと。

これらもまた渚から得た情報だ。




「………檜山さんも、あの契約を…?」

檜山はうなずく。



「これまでどんな命令されたんですか?」
「…命令っていうか…なんか…おつかい頼まれたり…」

おつかい?!子どもか?!



「特に夜中とか、雨や雪、台風の日は、檜山さんおつかい率高いよね~」

渚はけらけら笑って言う。

……それって、パシりじゃん…

年上の男にパシらせる陽も陽だし、普通に言われるがままのこの男もこの男だよ……




「檜山さんはそれでいいんですか?!」

檜山はきょとんとする。

「……家賃安くて、渚ちゃんみたいな子が住んでて…こんないいアパート、他にないよ」



檜山はうっとりとした目を渚に向ける。渚もそれに応えるように、にっこり極上の笑顔を作ると、檜山はさらに顔を赤くした。



……………はぁ…
呆れてなにも言えない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ