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白い雪のような

第1章 待ち遠しい再会

洸太は朗を置き去りにして、
走り出した。

いとこで幼なじみの朗。

のんびりしていて可愛いと
女子には人気だけど、
洸太にしてみればじれったくて
仕方がなかった。


待ってらんねーよ…
俺は惺兄に会いに行くんだから!


惺兄。

朗の兄で今年18になるが、
体が弱くて学校にも行けず、
ずっと本家の屋敷で静養している。

本来なら跡取りなのだが、
その体の弱さから資格は既に朗に移っていた。

体さえ丈夫であれば
良き当主になるだろうと、
惜しむ声も少なくない。

分家筋の洸太は行儀見習いとして、
長い休みは本家へ
泊まり込むことになっているが、
本人は遊び半分で
惺の部屋に入り浸り状態。

しかし惺がそれを
許してしまっているので、
誰も止められなかった。


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