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向かいのお兄さん

第17章 だから…






扉が開くと、人がどっと押し寄せた



俺はその流れに乗って、電車に足を乗せた













その足を



下ろした







「…」





ガラス越しに、こっちを不思議そうに見る目がたくさんあった



俺はその人たちと目を合わせることもせず



体の向きを変え




ちょうど反対側に着いた電車に


乗り込んだ










「…」






一体何が俺をそうさせたんだろう




綾子への罪滅ぼし?



あのおじさんの誘い?




どっちもあるけど


どっちも違う










俺は






花を飾りたかったから…















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