向かいのお兄さん
第22章 入り混じり
『何…?』
「…好きだった奴が、死んだんだ」
いつの
話…?
『…引きずってるの…?』
「いや、そんなに…でもただ、謝りたくてさ」
直也のはにかんだ笑顔が
痛いよ
「無理にヤって…泣かせたんだ…すっげー後悔して、次会ったときは謝ろうって思ったんだけど…次のときには、もう死んでた」
『…』
やっと
理解出来た
「ってかゴメン、ヤったとかそういう話しなさそうだよな、美咲ちゃん」
『ううん…』
直也がどうして
あたしの"声"を消してまで
セックスしたいって言ってくれたのか…
あたしの気持ちを大事にしたいって…そういうことだったんだね…
それをあたしは
突っぱねたんだね…