向かいのお兄さん
第34章 何で
次の日、大学での講義を全て受け
あたしは急いで電車に乗り込んだ
早く…早く直也に会いたい…
どうしてこんなにせかされるんだろう
何がこんなにせかしてくるんだろう
何もわかんない…
何も…
電車を下りると、走った
田舎町の駅は、下りる人もそう多くない
だから簡単に進むことができた
直也…直也…
いつもの見慣れた景色に入ると
直也を見つけた
また
一生懸命、働いてる
抑え切れずに
仕事中にも関わらず
直也のそばに駆け寄った
『直也っ』
あたしの声に、直也は目を見開いた
その驚いた表情に、平手打ちでも食らわせたくなる
『ちょっと…何でメールも電話も無視すんのさ!!』
「…」
直也は黙ったまま
あたしから顔を背けた