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向かいのお兄さん

第34章 何で




『ちょっと…』



あたしは

直也の腕を掴んだ




でも


後悔した




掴まなきゃよかったって…




だって



振り払われるってわかっていたら


掴んだりなんてしなかったもん…





「なぁ…」




あたしは


払われた手をさ迷わせながら


直也の次の言葉を待った







「ここ、仕事場だって自覚しろ」





その冷たい瞳に


泣きそうになった





だって



今まで直也に


ここまで見捨てられた言い方、されたことなかったから







『…じゃ…じゃあ…何でメールとか…返してくれなかったの…?』




「…」





『あたし…どんな思いしてたと思って…』




「うっさい」














人って




こんな唐突に





変わるものなのかな…








直也…別人みたい…




あたし…一体誰としゃべってるんだろ…











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