向かいのお兄さん
第42章 お正月
『嘘だって、ほらほら泣くな』
「泣いてねーし…」
ふて腐れた顔にキスをすると、直也はあたしの顔に手を添える
軽く触れさせて、しばらくしてから唇を離した
『じゃ、食べよ///』
「待ってました」
直也が机の上を片付けると、あたしは持ってきた鞄を置いた
中からたくさんのパックを取り出す
「お、いっぱい作ったんだなぁ…ごまめとナマスばっかり」
『楽しかったし、作りすぎた。ごまめとナマスばっかり』
そう
あたしは昨日、直也のために、せっせとおせちを作ったのである
うーん、あたしって乙女
次々と机におせちを並べていく
『残したら許さないから』
「えー…許さないって、どう許さないの?」
『キスしてる間に舌噛んでやる』
「うわ、ひでぇ」
あたしと直也は、机の前に座った