向かいのお兄さん
第50章 俺だけのもの
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『直也!!』
「美咲!!」
やたらと静かな部屋に
二人の声だけが聞こえた
『あれ…?』
「…ここ、美咲の部屋…?」
変に頭が痛い
額を押さえ、よく考えてみる
『…ねぇ、直也…』
あたしが直也に、問い掛けた
「どうしたの?」
直也も少し、あたしと同様、疲れたような顔を見せる
『あたしの記憶が…正しかったらだけど…
直也、あたしが小学生の時に出会ったことある?』
「え?」
直也はしばらく上を向いて考え出した
そして何となく、こっちを指差す
「…鳥の雛」
『お墓、つくって…』
「あれ…えーっと…」
『やっぱりあれ…直也だったの?』
なぜか頭の片隅にこびりつく記憶…
確かに、直也と話が一致する