向かいのお兄さん
第50章 俺だけのもの
『ちょっと待って。
何でこんないきなり…』
泥で塗り潰された記憶が
少しずつ色を取り戻すようだった
何でこんな急に…
あたし…小学生の時に…
『待てよ。
あんた、あたしを襲ってなかった?』
美咲の鋭い目が、直也に向けられる
ああー…
もしかして俺、ヤバいことしちゃった…?
「襲ったっつっても知れてるし。
キスして舐めただけ」
『…』
「覚えてるの?」
『…このロリコンが!!』
あたしは近くにあった枕を、直也に投げつけた
しかし直也は、それを上手くキャッチする
「ロリコン結構。
美咲のあそこ、おいしかったよ」
『~!!///
最低!!』
あたしがそれだけ言うと、直也はニヤッと笑った