向かいのお兄さん
第51章 甘い形で示したい
―――
「美咲、彼氏いるんだっけ?」
『うん。まあねー』
昨日もちょうど、夜にイチャイチャしてたばかりだ
あたしは思い出して緩む口元を、遥に見せないように隠す
「嬉しそうな顔しちゃって…」
もろ見えてたみたいだけど…
『遥はどうなの?
彼氏出来た?』
「出来たよ。
あんたほど幸せそうには出来ないけどねー」
どこか皮肉めいた言い方に、あたしは慌てた
『し、幸せってか…///
あの…何かあったの…?』
「んー、ちょっと喧嘩しただけ」
遥はボーッと前方だけを見ていたが、ニコッと笑ってあたしの方を向いた
「でも、一気に挽回してやるんだ~♪」
『え…!?
どうやって?どうやって?///』
あたしが興味津々になって聞くと、遥は前を指差した
「その前に。
ほら、店見えてきた」