向かいのお兄さん
第51章 甘い形で示したい
『や、可愛いっ』
写真で見るよりも可愛らしい店の外観に
あたしは思わずテンションが上がる
しかし遥は、怪訝そうな顔をした
「人、並んでるね…」
言われて見ると、確かに…
店の外まで行列が出来ている
『…どうする?』
「んー…、お持ち帰りにする?」
『できるの?』
「もちろん」
と言うことで
あたしと遥は、店内での飲食をする列は避け、先に中に入った
『ん~、いい匂い』
店に入ると、香ばしい匂いが鼻をくすぶった
また、棚に並べられたケーキやクッキーがきらびやかに光って見える
『天国ですな、閣下』
「ですな、大臣」
その彩り豊かな食べ物に目を奪われながら、あたしは遥に話を戻した
『で、どうやって挽回すんの?』
「ああそうそう。
もうすぐアレじゃん?」
『アレ?』
あたしが首を傾げると、遥は得意げに笑った
「アレだよアレ。
バ・レ・ン・タ・イ・ン」