向かいのお兄さん
第54章 好きだから、食え
『何でチェーン掛けてんの?』
「…美咲の顔、見たくない」
『今見てんじゃん』
「…」
直也はまた、扉を閉めようとした
『お前の下半身の大きさ、言い触らすぞ』
「…勝手にすれば?
その方が女も寄ってくるかもね」
『最大5cmでも?』
「…」
あたしと直也の
しばらくの睨み合いが続く
「言い触らす美咲だって、世間からそういう目で見られんじゃないの?」
『そんなヘマしません』
「…」
『いいから、開けてよ』
てこでも動かない姿勢でいるあたし
「はぁ…」
直也は渋々、チェーンを外した