向かいのお兄さん
第57章 共に歩んで
来たる日曜日
予想していた以上に、あたしのテンションは低かった
特にやることもない
やる気も出ない
大学のレポートなんて、触りたくもないくらい
『ひまー』
ベッドの上で二三度足をばたつかせた
二三度ゴロゴロ転がって
やっと床に足をついた
『散歩しよう』
宣言した
広いキャンパス内をぐるぐると回ることは日常的だったけれど
家の近所を歩いて回ることは久しぶりだった
きっと気分転換になる
絶対なるはず
軽く上着を羽織って、あたしは家を出ることにした
……
直也のマンションの前を通りかかる
訪ねようかとも思ったけど、用事があるならいないだろうし
いたとしても迷惑かけるのは嫌だったから
マンションはさっさと通り過ぎた
『また次の日曜に、デートしちゃる』
直也の笑顔が
見たくて仕方ない