向かいのお兄さん
第57章 共に歩んで
『…もういいよ…』
足を進めた
直也の隣を通り過ぎようとした
直也の顔が、あたしを追うように動いたのが視界の隅で見えたけど
知らんぷりした…
「こら」
『ぐえっ』
…のに、あたしの首は直也の腕に拘束されてしまった
『離してよ、あたしもう帰るから…』
「ここじゃ、はなせない」
『話せない?離せない?』
「どっちも」
直也は腕をあたしの首にしっかりと絡ませたまま前進し始めた
あたしはヨタヨタと後ろ歩き…
『ちょ、ついてくから離して』
「は?誰に命令してんの?」
うっぜぇ