
手紙~天国のあなたへ~
第1章 序章・プロローグ
序章・プロローグ
貴方(あなた)が私をたった一人残して逝ってから、歳月は降り止まない雪のように私の上に降り積もりました。そう、丁度、たった今、こうして私が一人で見上げる鈍色(にびいろ)の空から絶え間なく降りしきる雪のように。
いっときは私たち二人を引き合わせた宿命(さだめ)を恨んだけれど、今はむしろ感謝しています。あなたが逝って、もう十年にもなるのに、あなたの面影は心から消えたことはありません。
不思議ですね。お亡くなりになった時、あなたは二十七歳で、私は十八歳だったのに、今では私は二十八歳になり、私の記憶の中にあるあなたよりもとうとう年上になってしまいました。
ああ、できることなら、ずっとあなたのお傍にいて、一緒に歩いてゆきたかった。あなたに寄り添い、その包み込むような優しい笑顔を見つめていたかった。でも、あなたのいなくなった今、その願いは永遠に叶えられることはありません。
貴方(あなた)が私をたった一人残して逝ってから、歳月は降り止まない雪のように私の上に降り積もりました。そう、丁度、たった今、こうして私が一人で見上げる鈍色(にびいろ)の空から絶え間なく降りしきる雪のように。
いっときは私たち二人を引き合わせた宿命(さだめ)を恨んだけれど、今はむしろ感謝しています。あなたが逝って、もう十年にもなるのに、あなたの面影は心から消えたことはありません。
不思議ですね。お亡くなりになった時、あなたは二十七歳で、私は十八歳だったのに、今では私は二十八歳になり、私の記憶の中にあるあなたよりもとうとう年上になってしまいました。
ああ、できることなら、ずっとあなたのお傍にいて、一緒に歩いてゆきたかった。あなたに寄り添い、その包み込むような優しい笑顔を見つめていたかった。でも、あなたのいなくなった今、その願いは永遠に叶えられることはありません。
