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手紙~天国のあなたへ~

第7章 終章・エピローグ

 留花の微笑がいっそう優しげになった。惺には、彼の父親は既に亡くなっていることだけは伝えている。父親とは恋人同士であったが、祝言を挙げる前に不幸にして病にかかって死んでしまったのだと話していた。
 雪は相変わらず止むことなく降りしきっている。
 留花はいつしか想い人の好きだった子守歌を口ずさんでいた。透明な歌声が雪の作り出すしじまに溶けてゆく。
 亡き人の魂を鎮めるかのように。
 雪は降り積む。
                 (了)
 
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