刑事とJK
第90章 愛が欲しいだけだった
「みんな、俺と同じだ。
この国に失望し、消えてしまうことを切に願っている」
『…ありえない』
ゆうひは首を振った
「実際今、ありえている。否定はできないだろ」
ここで河瀬の目はゆうひに向けられた
「こっちに来い」
『えっ…』
「行くな、ゆうひ…」
斉藤はそう言うが
「来なければ、自爆スイッチを壊す」
『…』
ゆうひは固唾を飲んで歩き出した
「おい、ゆうひ…!!」
腕を掴んで止めるが、ゆうひはうっすら笑ってその手を外させた
河瀬の前まで行くと、自爆スイッチが目に入った
…これさえ押せば…
しかし今は下手に動かない方がいい
『何?』
「脱いで、俺を抱きしめろ」
『…嫌』
「じゃなきゃ、壊す」
『…』
ゆうひは河瀬に苦そうな顔を向けた
「やめろゆうひ!!
んなこと、聞く必要なんてねぇ!!!」
しかしゆうひは、スッと自分の服に手を伸ばした
『…』
「早く…躊躇うな」
河瀬の目は、獲物を狙う野獣のようにギラリと光った