刑事とJK
第97章 根城の裏で笑う者
「遠藤さん…?」
デスクが邪魔で、その位置からは足しか見えなかった。
しかし明らかに、"足が見えていた"。
そのデスクの後ろで人が倒れている姿が脳裏に浮かぶ。
「遠藤さん!?」
新米刑事は慌ててその人物の傍へ駆け寄った。
が、未だに見慣れることの出来ない惨状が、目の前に広がっていた。
「あ…ぁあ…」
膝が震える。
息が止まりそうになる。
鮮血は頭から流れ出した物が水溜りを作り
まるで赤い池に浮いているようにさえ見えた。
「え、遠藤さ…
だ…だれかぁあああああ!!!」
混乱とは、人間の通常の思考判断を麻痺させる。
刑事は死に物狂いで部屋を飛び出し、走って行った。
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