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刑事とJK

第98章 根城の裏で笑う者〜後編〜


……………




「はぁ…」



用を済ませて手を洗う



虚しく水音だけがトイレに響くようで、嘉山は大きなため息をついた





…斉藤刑事に言ったこと、後悔してるのかな


いやいや


そんなことない



斉藤刑事には…なんだか僕のこと知っておいてほしく思ったから…







蛍光灯は辺りを青白く照らしていた



嘉山は手についた水を軽く切ると、トイレをあとにしようとした







フッ




「わっ…!」




突然電気が消えた



窓からは街灯の灯りすら入ってこず、嘉山は真っ暗闇の中、己のうろたえを落ち着かせた




「…何にも見えないや…ブレーカーでも落ちたのかな…?」



手探りで壁を探し、記憶を頼りに出口を目指す











コツ




コツ





コツ







「?」



足音がこちらに近づいてくる




「あ、誰かいますか?なんか何も見えなくて…」




嘉山は一人きりだった不安が払拭され、その近づいてくる足音に向かって声を掛けた






「 他のところはどうなんでしょうか、とりあえず行ってみま…」




ブンッ





「え」





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