刑事とJK
第98章 根城の裏で笑う者〜後編〜
何かが目の前で鋭く風を切った
それがチッと頬をかすめ、嘉山はとっさに手で頬を覆った
「何がっ…」
バタバタと数歩後ずさったのちに、指先が濡れていることに気付く
ふいに鼻に入ってきた臭いは血であった
「っ、うそだろ…」
辺りは依然と真っ暗だ
だが気配で
何者かが棒状の物を振りかざすのを感じた
「うっ…うわああああああああぁあ!!!!」
生き物としての本能からか
身の危険を感じた嘉山は大声で叫んだ
無我夢中で縮こませた体は、運良く二撃目をかわす
…な、何が起こってるんだ…!?
どうして僕に向かってこんな…!
だんだんと暗闇に慣れてきた目は、その先に金槌のようなものを捉えた
こ…殺される…
金槌は再び振り上げられた