刑事とJK
第13章 怖くなんてない
ゆうひはその場に座って茫然としていた
昨日に引き続き、
こうやって男に襲われた衝撃と
斉藤が来てくれた時の喜びと
人が人を殴った時の鈍い音と…
全部が入り乱れ、
気持ちの整理ができないでいた
「たくっ…来て正解だった
って…うわっ///」
部屋に戻ってきた斉藤は
ゆうひを見るや否や慌てて下を向いた
『…?』
ゆうひは自分の姿を見た
ボタン全開のブラ全開だった
『あっ…や…///』
急いでボタンを留めなおす
が、手が震えてひとつも留まらない
『な…なんで…震えんの…///』
焦りがさらに、自分を制御させてくれない
斉藤はそんなゆうひの服に手を伸ばした
『ダメ…!!』
さっきまで浅見に襲われてたせいで
反射的に斉藤を押し返す
しかし、斉藤はボタンをひとつずつ留めてくれた
『…あ…///』
留め終えると
斉藤はその手を下ろした
「怖い思い…させたな、
あのガキも、オレも…」
後ろを向く斉藤の一瞬見せた悲しそうな顔に、ゆうひは傷ついた
あたし…
助けてくれた斉藤を
大好きな斉藤を怖がってしまった…?
『違う…』
ゆうひは斉藤の背中にデコをくっつける
『違う…怖くなんてない…
全然怖くなんかなかった…』
ゆうひは斉藤の大きな体に手を回す
『斉藤…ありがとう、ありがとう…』