刑事とJK
第25章 副担任
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学校はもう施錠された
誰もいないはずの廊下を
コツ、コツと音を鳴らしながら歩く影
影は靴箱まで移動し、スッと手を伸ばした
しかし、その腕を突然何者かに掴まれた
影は、驚いて逃げ出そうとした
が、虚しくも壁に取り押さえられてしまった
パパっと明かりが付く
明かりに照らされたのは、
湯井の顔だった
「なっ、何だいきなり…!!」
「現行犯逮捕ー」
湯井は顔だけで後ろを振り向いた
「き、君は…斉藤先生じゃないか…!!」
「どーも湯井先生、ご機嫌よろしゅう?」
「湯井先生だったんですね…」
井淵が歩いて来た
「井淵先生っ、この斉藤先生をどうにかしてください!!」
湯井は自分を押さえ付ける斉藤をどうにかするように、
井淵に助けを求めた
「湯井先生、どうして私に
そんな嫌がらせをするんですか?」
「…は…?
何のことですか…?」
「とぼけないでください」
井淵はぴしゃりと言った
「湯井先生よぉ、
ごまかしたって何にもなんねぇぞ?」
斉藤は、湯井が持っていた茶封筒を取り上げた
「あ、やめっ…!!」
封筒からは、
バサバサと大量の写真が出て来た
全部井淵が写っている
「証拠ゲットー、じゃ、警察行きますか?」
湯井は歯を食いしばった
「湯井先生…、
私があなたをフった逆恨みですか?」
「…当たり前だ…。
お前が僕を選ばないから悪いんだ…」
湯井の悔しそうな表情…
斉藤は鼻で笑った
「何が…おかしい…?」
「そんなネチネチした腐った根性してっから
女にフラれんだよ、ばーか」
「うぐっ…」
湯井は言い返せない
「草壁先生のほうが、まあモテるわ。
お前に比べたらな」
斉藤は井淵の方を向いて「なっ」と言った