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刑事とJK

第42章 船上の殺人事件2






「お前は、部屋でゆうひを薬かなんかで眠らせて、こっそり松井の殺害を試みようと思った。
しかしここで予定外の出来事…」




斉藤は自分自身を指差した




「オレとシゲが、
純友殺しの前に、横田の遺体を発見してしまったんだ。
しかもオレたちはその時、直接純友と会った」




「ああ、あの時か」


シゲが呟いた




「焦ったろうな。
おかげで、オレらが戻って来るまでの短い間に
純友を殺さねぇとダメになっちまった…
まあ結局、純友殺しは上手くいき、安心したことだろうな」




「その後はさっさと自分の部屋に入り、ゆうひちゃんが起きるのを待っとけばいいって話か…」



「だいたいはな」



斉藤が話し終えると、神谷は反論してきた



「それなら別に、戸松だって同じような犯行は
可能じゃないですか…」




斉藤は口元を上げた




「じゃあ聞くが…藤野は銃で撃たれたのか」



「そうです」



神谷は言い切った



「何で凶器は銃だって知ってんだ?」



「それは…」



神谷は一瞬言葉に詰まった



「誰がが、そうしゃべっていた…」



「周りに気付かれないためにサイレント式銃を使ったのに、
周りにはばれてたってことか?
んな鈍臭ぇ話があっかよ?」




「銃で撃たれたって聞いたんだ!!
皆だって知ってるだろ!?」







しかし、だれも首を縦に振らない






「わ、私はてっきり、
刑事さんは刺されたものだと…」



「私も、知らなかったぞ?」




社長たちのこの返事に、
神谷は苦い薬でも飲んだかのような表情をした








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