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刑事とJK

第49章 有人島サバイバル






ゆうひの手は

冷たかった




いつもはもっと、ほんわかとしていて


ずっと握っていたくなるような手が…





今は

やけに冷たい





その冷たい手が、オレの顔を優しく撫で

オレの頭を優しく撫で





何度もキスを落としてくる




…もどかしい




「ゆう…ひ…」




斉藤は、自分が動ける範囲で、
顔をゆうひに押し当てるようにキスをする



ゆうひもそんな斉藤を押し返すように、
キスをした







…もどかしい






唇が離れると


ゆうひは斉藤に身体を重ねた





くくられてる木が邪魔で

腕を背中まで回せないから




手は斉藤の胸に当て


顔を斉藤の右肩に乗せた







…もどかしい







『斉藤…

斉藤…斉藤…』





身体と

声が


震えているときは




ゆうひはいつも泣いている





だから今も



絶対泣いている






「…ゆうひ…」






顔を擦り付けると


ゆうひはさらに斉藤の肩に埋もれた





…もどかしい






この手で



今すぐ抱きしめたい



抱きしめてやりたい





大切なこいつの泣き顔が


笑顔になるまで






いや、笑顔になっても


抱きしめ続けたい…







「…ゆうひぃ…」














…もどかしい















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