刑事とJK
第56章 夢
PLLLL…
PLLLL…
『斉藤…電話…///』
「…チッ」
斉藤はどこか悔しそうに電話に出た
「もしもし
…あ、藤野か?」
電話相手が藤野だとわかると、斉藤の右手は
またゆうひのあそこへ伸びた
『ちょっと斉藤っ、ぁああんっ///』
電話越しに声が聞こえるんじゃないか
と、とっさに口を押さえた
《今、ゆうひちゃんの声しなかったか?》
「いいや、気のせいだろ」
『~っっっ////』
斉藤の指は容赦なくいじくり回す
あ、悪魔め…!!
「で、用って何だ?」
《ああ、実はな…――――》
斉藤の手がゆうひから離れた
ゆうひが斉藤を見ると、
真剣な表情をしていた
『…?』
すると斉藤は、携帯を耳に当てたまま
いつもの崩したスーツ姿に着替えた
『…仕事?』
通話を終えた後、ゆうひは尋ねた
「ああ…ちょっと、行ってくる…
わりぃな」
ポケットに財布や鍵を突っ込んで
扉の前に立った
「ゆうひ」
『何?』
「ありがとな」
『…ううん///』
斉藤は部屋を出ようとしたが
その服をゆうひは引っ張った
「?
どうした?」
『え、あれ?
いや、なんでもないよ
ごめん…』
ゆうひは手を離した
『いってらっしゃい』
「ああ」
ゆうひは斉藤を見送った
どこかスカスカしたものが、
胸の辺りに残った
その感覚に
ゆうひはひとり身震いした